ギンギアナム

週に一度 デイでご一緒する書道家がいる。この春 銀座で作品展をした時に出展した書の写真を見せてくれた。
茨木のり子の詩や山頭火の句と一緒に
 『いまを生きる それでよい』
という書があった。
「退院してから、初めて書いたものなんだ」
軽い脳梗塞で倒れて入院した彼女の心に沸々と浮かんだ言葉なのだろう。
今の私にも、身にしみる書であった。
「これは寝たきりの人のところに買われていったの」
80歳を過ぎてなおも心に残る言葉を探し求め、時間があれば本を読んでいる。
「だんだん花の世話が大変になった」
彼女の咲かせたギンギアナムの花が爽やか