2006-01-01から1年間の記事一覧

頑張りすぎ

私たちの病室の前の廊下は突き当たりで、緊急時には避難口にもなる大きな窓があった。その場所は私の自主トレスペースでもあった。窓の外には、大きなグランドが広がり遠くに丹沢山塊が眺められる。朝焼けの空を見ながら、また夕日を見ながら足の筋力をつけ…

リハビリは続く

足で歩く練習の第一歩であるサークル歩行練習は、リハビリルームだけでなくフロアでもナース見守りのもとに続けられた。手術をして痛みは大半取れているのに、私は歩き方を忘れているようだ。「踵から着地し親指で蹴って進む」言われたとおりに気を使いなが…

他の時

私のいた病室では、お正月自宅に帰ったのは私だけだった。病院の職員も休日になるから、行事として特に行われることはないのだろう。けれどそれなりに配慮されたおせち料理風なものが出たそうだ。節分には豆が出て、ひな祭りにはちらし寿司に貝の吸い物がで…

クリスマス会

12月16日 外の社会より一足早く病院内でクリスマス会が企画された。フロアホールには椅子が用意され、そこには歩ける患者、サークル利用の患者が座りる。その周りには沢山の車椅子が並んだ。職員のギター伴奏で、ハイ皆さん一緒に歌いましょう。赤鼻のトナカ…

数独仲間

彼女とは私の退院5日前に同室になったので、私の情報収集にも限りがあった。身長140センチ台の可愛らしいおばあちゃまだけど、しっかりとご自分の意見をおっしゃる姿はとても爽やか。足の手術をして、リハビリ病院入院時は50パーセントの加重トレーニ…

二人のお母さん

私たちの部屋に一泊だけして他の部屋に移って行ったお母さんが二人いた。一人のお母さんはどうして歩けないのか分からずじまい。なぜって彼女は日中ずうっと寝ていたから。9時の消灯後は、私も当直の職員が何度も来ていたのはおぼろげに気づいていた。「◯◯…

交通事故

日本人の平均寿命は女性の方が大きく上回っているのを反映してか、私がいた部屋の10人中6人が夫に先立たれていた。交通事故に遭い,術後のリハビリに入院してきた2人も今は一人住まいである。そのうちの一人80歳代半ばのハッスルおばあちゃんは,未だ…

「おとうさんアタシを殺して」

痛みの辛さにミセスは旦那に頼み込んだという。「俺を犯罪者にするつもりか 俺はやだよって断られちゃったよ」激しい痛みで入院した時を思い起こして、彼女はそんな話をしていた。私の手術の翌日、まだ観察室にいた時、緊急入院で一時私の隣のベットに運ばれ…

姉御とマダム

姉御は13才の時、満州から引き上げて来た。その2年後、まだ貧しい医療体制の中、大病をし左手に麻痺がでる。障害を持っての人生は甘いものではなかったであろう。そのせいか時たま彼女は突っ張った話し方をした。『アチキは・・・』それで私は心の中で彼…

病室の人々

このリハビリ総合病院はベット数180床,4つの病棟に分かれている。私の入院した病棟は整形外科系で、転んで骨折した人、交通事故で怪我をした人、足、腰の持病の治療後、手術後の患者が多く集まっているようだ。そのせいか、骨が弱くなって来ている老齢…

リハビリが始まる

12月11日(月) 私は期待でそわそわ、同室の仲間がベッドの上でのリハビリを始めたり、療法士さんが呼びに来て出かけるのを横目に見ながら落ち着かない。午前中は無しなのかと思い始めた頃、若いが経験深そうな男性が来た。自己紹介では作業療法を中心とした…

週末の病院

12月9日(土) 入院前、美容院に行きたくともオアシに余裕がなく、髪の毛がのびきっていたのを娘さんが気にしてくれ、病院の床屋さんの予約を取ってくれました。まさしく床屋さんです。髪の長さは今まで以上のベリーショートになり、顔まで剃ってくれました…

リハビリ病院への転院

この頃の気持ちを私はこう綴っています。 その頃の私は元気がなかった。手帳の隅に私の気持がメモされて有りました。―――記録をつけないと日付も曜日も症状の具合も世の中のことも全てわからなくなってしまいそう。どんよりとした曇り空が暗闇に変わってしま…

手術

何年前からだろうか、何時入院とうい事になっても良いように、寝間着、下着、タオル類を『入院用』として用意してあったが、今回の入院では、それらは皆レンタルでまかなわれ、多少お金がかかっても家族に手間をかける事を減らせて、気楽で助かった。術前に…

信頼できる医師を見つけた

市民病院で満足できない治療を受けながら、私はネットで病院探しをしていた。どこかに良い病院がないかなあ。ここはと思うところが有っても通いきれない場所だったり,予約待ちが多かったりでなかなか見つからない。そしてあちこちとクリックしてとうとう見…

座骨神経痛といわれて

2005年に入って三カ所の趣味グループへの出席を再開したけれど、歩いていると右足が痛くなる。どうしたのだろう?2月中旬、前回行った近くの病院では何か頼りないので、バスに乗り市民病院の整形外科の受診を受ける。『座骨神経痛ですね。詳しく調べましょ…

最初の怪我

2004年4月、この頃、私は足腰が弱ってきているのを感じて来てました。20日の夜、散歩の途中の公園でストレッチの最中、足を前に上げた途端尻餅をついた。日中ゲートボールに使われている公園の地面は固い。瞬間目の前が暗くなり、吐き気がしました。この時腰…