生きる

今年 私は古希を迎える 
思えば長く生きたもんだ
この病気にならなかったら
私は元気な おばあちゃん
何処にでもいる逞しいおばあちゃん
そんな人になり損ねて 
車椅子から世間を見る
ガラス越しの小さな世界 
蒼い空 梢の揺らぎ
手の届かない憧れに胸を脹らます


同窓会会報が届いた
片隅には物故者の氏名
何故か私の学年が一番多かった
古希を迎えずに亡くなる人もいる
大気の中にある 私を支えるエネルギーが
耳元で囁く『まだまだ生きる』と
今を受け止め なるがまま 私は生きる
  喜びを 探しながら