夕焼け空の下で

人生の夕焼け時、今までは私がそんなところにいる意識なんてなかった。
でも今、自分の置かれた場所を考えて見ると状況はそうなんだろうなあ。
ただし、人の夕焼け時間は自然の移ろいのように早いとは限らない。

7年前になるだろうか、娘との散歩の時素晴らしい夕焼けの空を見た。
黒ずみ始めた木々の影、人家の屋根向こうに、えも言われぬ夕焼け空を見た。
落日の陽の光を受けて、黄金色に照り映える積乱雲が創り出した世界。
その荘厳さは、西方浄土、さもありなんと思ってしまう程だった。
一度出会っただけだけれど、永遠の感動を与えてくれた。
これから長いこと、夕焼け時に生きるのなら、そんな夕焼けの中がいい。
私の心にあるその夕焼けを、自分なりに創れるかなあ。