足蹴り

平行棒を使って歩行の訓練をしているけれど、歩くというより腕の力に頼ってしまっている。そしてふくらはぎは筋肉がなくなり、張りもなく柔らかくなった。そのせいか移乗するために立ち上がるのも大変になり、体力の低下を感じていた。


私の歩行訓練を見ていた作業療法の先生が、機能訓練のプログラムに足蹴りの動作を加えた。横になり抵抗をかけられ状態を爪先で蹴る、最初は左右十回ほどでも、結構体力を使い疲れた。


続けて行くうちに、抵抗を強くしても疲れなくなり、立ち上がりもしっかりとしてきた。プルンプルンになってしまっていたふくらはぎも、僅かに筋肉がつき、引き締まってきた。これだけでも、体力が少し増した気もする。


又、それに伴い、歩き方に反省をさせられた。
最近の私は、平行棒を掴んだ手に体重をかけ、体を浮かせて前に進んでいる。これでは歩行とは言えない。歩き方を忘れてしまったようだ。
足をしっかりと使おう。爪先で蹴って、躰を前に押し出そう。
足蹴りの訓練を始めて、改めて爪先の価値を実感した。


眠りに入る前、目を閉じて歩行のイメージをする。
一(足を地につける)二(爪先で蹴る)
右・左・一・二・一・二・・・・