自由

自由に動きたい。この思いはいくら心の底に押し込めても、ふわっと頭の中をかすめて通る。晴れ上がって来た青空を見上げながら、あの空の下を自由に歩きたいと思う。別に名所名跡でなんかでなくて良い。歩きなれた川沿いの遊歩道、岸辺の雑草の緑が勢いを増してきているだろうなあ。街中に向かうビルの谷間の大通り、図書館にも行きたい。そうだ、あそこの公園は今、あじさいとショウブの花が見頃ではないかしら? 動く事はとても疲れるけれど、考える事はちっとも疲れない。自由に動けなくても、自由に考える事ができればいいじゃない。歩き回る自由がなくても部屋の中で動き回る自由はまだまだあるのだから、そして今の私には時間の制限も束縛もない。さあどうする? 貧乏性で何かしていないと落ち着かない性格は横に置いて、のんびり考えたって良いじゃあない。
なんだか何時もこんな時を過ごして来たような気がする。