料理

私が家族のために料理を作り始めたのは、中学生の時。何も分からない私は試験勉強をしに行ったお茶の水の図書館で雑誌「主婦の友」からいろいろなレシピを仕込んだ。サンマ三枚おろしの酢漬け、シチューの作り方。あれは味が濃かったのかしら、兄にひどく怒られた記憶もある。あの頃から、家庭での料理人の一要員だったんだ。50年ものキャリアがあるんだもの、好きだ嫌いだの範疇を超えて、程々に得意だと思ってきたし、気楽に料理する事も出来た。一年前、足の調子が悪くなってきていた時でも、台所に立つ事に苦痛は無かった。時間がかかるものでも何でもござれ、出歩けない分、手持ちの素材を活用して作る料理が面白かったかもしれない。
今、料理をするために台所に立ち続ける事は、ちょっと苦痛。けれど夕食は自分で作ってそれなりにおいしく食べたい。午後の時間に2〜3回に分けて台所に立つ。作り置きのお惣菜を一品早めに作って味をしみ込ませる。3時頃夕食メインの下ごしらえ、そして最後に食事前の仕上げ。時には流しの前に椅子を据えての調理の事もある。やりたい事がまだやれるんだから、良しとしばければね。