晩夏

蒼い空の下 伸びすぎた街路樹の枝
色あせたサルスベリ 疲れ顔の芙蓉
充分に夏の陽を取り込んだ 深緑の樹々 
盛りの時は過ぎ 往く時を待つ
風に揺らぐ黄花コスモス 枝を広げた小紫
道ばたの草々の茂み 今は虫達の住処か 
夏から秋に変わって行く、こんな景色が、とてもいとおしく、私を幸せにしてくれる。
デイセンターの比較的近くに住む私は、朝は最後に乗り込み、帰りは他の同乗者の方達の家を回ってから、我が家にたどり着きます。
「ゴメンネ、遠回りになっちゃうね」「いえいえ、ドライブを楽しんでますから」遠慮もいらず、流れ移る景色を味わえる。
半年もの間、部屋の窓から、外の気配に耳を澄まし、小さな自然や季節の断片を捕まえて、自然の中にある沢山の命と、同化する私の命を見つめていました。今、週一の外出の僅かな時間の中で、目に映る景色の広がりに、とても心が躍ります。デイの利用回数が増えて、これが日常になると、こんなことでは幸せを感じなくなるのかしら。自分の身体がどう変化するか分からないのに、先の気持ちを憶測するなんておかしいですね。
でもまあ、今日一日気持ち良く過ごせたことに感謝しましょう。