ラビアンローズを聞きながら

い〜ち、に〜い、さ〜ん、し〜、マット体操時に流れていたBGMはシャンソンでした。私のブルーの人生も、素敵なメロデーに出会う時、ちょっとバラ色に変わるかしら。
「若いとき、何か、運動をしていた?」体操のときに介助してくれる人からよく聞かれます。横になって身体を動かしたり、四つん這いでの動作では、まだ身体も柔らかく、滑らかに動きます。けれども、立ち上がったら最後、出来損ないのロボットに変身です。あぁ、嫌になってしまうなあ。
今日の指圧タイムは、「セ・シ・ボン」なんてタイムリーな曲なんでしょう。ここのところは、動くことが少ないのに、コリコリと凝っている腰を重点に、揉みほぐしてくれています。痛いけれど気持ちのよい、とてもステキな時間。
フロアのざわめきの中、はっと耳をそばだてる時があります。ボサノバのリズム。バンドネオンのタンゴの調べ。中でも「リベルタンゴ」は私のお気に入りの曲。
テーブルの上には、金木犀の一輪。片隅に置かれた、一抱えもある花盛りのコスモスが、皆の心を広げてくれます。
ビルの一階を改装した小さなデイサービスですが、リハビリを指導しておられる、療法士さんの質だけでなく、雰囲気も家庭的なので、週2回3回と通っている人も多いようです。