症状6

時の流れは早いのか遅いのか。一年前の今頃、腰部の押しつぶされた神経を解放すれば、歩きやすくなれるんだと、心躍らせていたのに、半年後には、訳の分からない病名を突きつけられた。目の前に現れた道は、二本の足で歩くのも難しく、そして、だんだん険しくなり、立ち歩く事も危うくなる。めまぐるしい変化に、身体は戸惑い硬直し、動きは緩慢になる。時間が止まったように纏わりつき、私は、にっちもさっちもいかない現実に生きる。燃え尽きた熾き火のような人生でも、なるようになっていくって。
外出用に椅子のある歩行車を借りていましたが、先日、コスモス畑で遊んだり、DIYセンターで探し物をした時に、私にはもう歩き回る力が無い事を悟り、ケアマネージャーに車椅子の手配を依頼しました。歩行車は室内だけで使うには考えものなので、腕で身体を支える歩行器に変更しましょう。レンタルを利用するのはなかなか効率的です。
それにしても、歩行車を使ってでも歩き回りたいと云う事は、見果てぬ夢として終ってしまいました。家の中で、伝い歩きをし続ける事が今の私のささやかな夢です。そのうち私は、いざり、ハイハイをしてと、赤ちゃん返りをしていくのかな。
相変わらず、元気の良い、大きな声は出ています。お迎えの車に乗る時の朝の挨拶、デイサービスでの合唱2曲、お腹の底から声を出すって気持ちがいい。時にはメロディを外して慌てて声を落とします。お喋りをしていて、問い返されることがわずかに増えたと思うのは、まだ私だけなようですが、舌の動きが悪くなる回数が増えたのも、確実に自覚もしています。