揺らめく空気

光に揺らぐ陽炎を、最後に見たのは何時だったのだろうか。
起床して30分後、娘も出勤し、一人でコーヒーを飲んでいる時、眼の前の空気がゆらゆらと揺れた。これは何? 正面及び上の方に目を向けても異常は現れないが、下を向くと眼の前の空気に、陽炎のような揺らめきを感じた。この状態が続いていったらどうなるんだろう。ひどくなったら目が回って気を失うかもしれない。不安になった私は、どうしたら良いのか考える余裕もなく、テーブルの上に肘をつく。
幸いな事に、目の前に現れた、その濃厚な空間は、10分程過ぎると遠のいていった。
病状の一つに眼震というものがある。そのチェックなのだろうか、受診時には毎回、医師と人差し指のタッチ動作を行うが、それには異常はない。
今朝の症状は、目の芯が微妙に揺れて、空気に波紋が生じたかのような、錯覚を起こさせたのだろうか。目の芯の揺れは10分が20分になり、度々になっていくのかもしれない。
否、たまたま表れた現象で、病気とは何にも関係がないのかもしれない。どうか取り越し苦労でありますようにと祈ってしまう。