症状11

目に見えて変化のない体調も、先日の眼震のように、表れては消え、又表れては消えを繰り返しながら、症状は酷くなっていくのであろうか。
正面のモノが二重に見える事はないけれども、目を左右に動かすと、片目だけならば異常はないものの、両目で右、左と見ると、焦点が合わないでクラクラする。
一人で歩く事もだんだんと難しくなってきて、玄関から車の待機する通りまでの5、6メートルの距離を、人の手を借りてやっと辿り着く。すがりつく力が強くなると「手に力が入りすぎているなあ」と注意を受ける。慌てない、慌てない。気持ちを改めて、前屈みになりそうな身体を正す。足運びの動きが遅くなった。
辛いものや、刺激のあるものが喉に当たり、咽せて咳き込む。これは嚥下障害の始まりなのか。何が原因という事もなく咳き込むこともある。病状探しをしている訳ではないのだけれど、些細な事の一つ一つが気になってしまう。
まるでモグラたたきのように、身体のあちこちで痛みが出てくる。膝の後ろ側、腰、肘、時により首筋など。放っておいたらそのまま固まってしまうのではないかしらと、朝に晩に、首、腰、手足を伸ばしたり縮めたり。老化現象と言われようとも抵抗をしたい。
何が何だか分からない、蛇の生殺しのようなこんな生活に『そろそろ修了証書が欲しいよね』と心の奥に閉じ込められている私の本音は言う。けれども『まだまだ修行が足らないね』天の裁きはそう甘くはない。後数年この現状を維持することに努めれば、もしかしたら、ご褒美がもらえるのかもしれないな。治療法に光明がさし始めたことに期待をしたい。