リハビリに思う

昨年の9月に週一回、通い始めたデイサービスは、今では9ヶ月目に入り週三回に増えている。こうなると、これはもう勤めに行くようなもので、他の用事をするのも、デイを中心に予定をたてる。なにしろ、そこにはリハビリと云う『やる仕事』があるのだ。
同じリハビリ仲間が、4年5年と長い時間をかけて回復した様子を見たり聞いたりすると、人ごとながらも嬉しくなる。5年前クモ膜下出血で倒れ、歩く事も覚束なく、身体の動きも悪いまま自宅に戻った後に、地道に続けたリハビリで、彼女は今ではほとんど正常に戻り、近々に認定される介護保健では、もう通う必要を認められなくなるだろう。脳梗塞をおこして、長いこと車椅子を使用している人も、杖歩行の訓練を始めている。
こうした人達のリハビリは、健康保険では6ヶ月を限度とされ、後は介護事業で受けるようになっているらしいが、介護施設では利用者の希望に、どれほど呼応出来ているのであろうか。ある友人は地元で唯一リハビリをうたっている施設の利用をしているが、そこでは温めたり、電気を通したりがメインで、歩行訓練をしたい彼女は「アタシャ ちゃんと歩けるようになるのかね」とぼやく。リハビリの継続を介護保険に移行するのならば、利用者が自分の望みにあった施設を選べるよう、それなりの受け入れ体制が整った場所がなければ困る。
私の場合はどうなのか。通院している国立病院機構ではリハビリの外来はない。そのせいか神経内科の担当医からは特にリハビリの話はなかった。けれど色々調べてみると、リハビリは重要らしい。ならばまず、してくれる所を見つけよう。訪問リハビリもあるのだろうけれど、送迎のある施設が良い。依頼をしたケアマネージャーは「厳しいらしいですよ」との一言を加えて、リハビリ専門のデイサービスを紹介してくれた。
運動とはと云えないような動きにも、身体を固くして息を荒げる。そんな日々にも慣れてきたとは言え、私にとって週三回のリハビリは目一杯なのか、迎えの車を待つ時に『う〜ん、辛いなあ』と怠け心が顔を見せる事もある。けれど出かければ、それなりに満足して帰って来る。実際にリハビリをし始めてから、身体を動かす事が楽になっており、筋肉の張り感や痛みのある時も、その都度の整体で揉みほぐされている。その効果を実感しているのだから、四の五の言わずにやるしかないと、我が身に云い諭す他はない。
今を気楽に生きてしまえば、明日にはもっと辛い生き様が待っていそうで怖いのだ。さぁ、一年目の皆勤賞も夢ではないって。