夏の光り

何時も通るメインの道路が渋滞していたので、横道に逃れて初めての道を通った。目新しい道は楽しい。家に帰ってから市内地図を確認した。この道はフラワーロード、街路樹の足下にタチアオイアジサイの花が咲き乱れる。大きな薄紫や白い塊、紅、薄紅色の鮮やかな色達。屋根越しに見えていたのは、住宅街に残された緑地。
今年は昨年より梅雨入りが早かったものの、このところは中休みのようで、洗濯物の渇きの良い日が続く。月初めの雨に潤った草木が、今、中休みの陽の光りを浴びて生き生きと葉を拡げ、私の目を惹き付ける。
手元にある『空の歳時記』を眺めていると、陰暦五月の五月雨(梅雨)の合間の晴れの日が五月晴れだった。けれど今ではもう六月の晴れ間を五月晴れとは言っていない。天気予報士も梅雨の晴れ間と伝える。梅雨前線は南下していて、暑い大気は北上を押さえつけられ、ムシムシした暑さでもない。真夏日がくる前の、五月晴れの夏の光りは心地よい。
今日は晴れ間も出る予報であったが曇り空。そろそろ又、梅雨空が続くのだろう。
近くの小学校からは、今年初めてプールで子供達のざわめく声が聞こえた。