夢の記憶

最近よく夢を見る。否、目覚めた後に夢の記憶がしっかりと残っているようだ。夢の中を私はさまよう。心が創りだした幻の世界。


初めの頃の夢では、はぐれてしまった友人達の姿を探し求めて、私は野原や丘を歩き回っていた。そしてある時は崖にぶち当たり、又次の時には水辺に行き止まる。戸惑った私は我にかえる。アタシって歩けないんだったよね。途端に夢は砕け散った。


このところの夢は少し変わってきた。知らない街を一人で歩く。家に帰る為に電車に乗らなくては。。。駅は何処?。。。確かこの道は遠回りだった。以前、夢の中でこの通りに来た事があるのだろうか、それとも夢の中のデジャ・ビュなのか。心急く私はいつの間にか駅廻りの喧噪の中にいた。追い越していく人々の背中を見送りながら私は思う。歩けるようになったんだ。ゆっくりゆっくり歩いていこう。夢の続きは暗闇の中に吸い込まれていった。夢の夢。それでも嬉しい夢の記憶。